《完》極上☆SWEETS!! 〜愛しのショコラ・プリンス〜
「え……??
コレ、あんたの賞状!?」


「そ。

オレが、初めて優勝した
コンクールのヤツ」


ガラスに指を触れて、
懐かしそうな瞳でそれを
眺める爽介。


「あんたのものなんでしょ?

なんでこんなとこに飾って
あんのよ?」


しかも初めて優勝した時と
なんて、超記念品じゃない。

フツー、家で額に入れて
飾るもんでしょ?


目を丸くしてるあたしに、
爽介は苦笑しながら、


「オレが学校に頼んで、
ここに飾ってもらったんだ。

これは……優勝したのは
オレだけど、オレ一人で
とった賞状じゃないから」


……爽介一人で、とったん
じゃない――?


「……どーゆーこと?」


「ん……。

当時、色々アドバイスして
くれた講師とかダチとかさ。
行き詰まったときに励まして
くれたヤツとか。

そーゆーヤツらの助けが
なかったら、オレはたぶん
優勝できてなかった」


そう話す爽介の瞳には、
薄っぺらい紙の向こうに、
当時の思い出深い風景が
見えてるみたいだった。
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