《完》極上☆SWEETS!! 〜愛しのショコラ・プリンス〜
戻ってきたときの、パパの
『それ見たことか』みたいな顔。


悔しくて情けなくて、ホント、
自分がイヤになったっけ……。


「――何も残せなかった
わけじゃないだろ」


「えっ……!?」


突然割って入ってきた
爽介に、あたしはハッと
してその横顔を見つめる。


「パリじゃ、結果は出せな
かったかもしんねーけど。

勉強してきたことがムダに
なるはずなんかない。

それに自分にその気さえ
あれば、どこでだって勉強も
デザインも続けられるはずだ」


「爽介………」



わかってるわよ。


それと同じようなことは、
前にもあんたに言われた
ことがあるもんね。


……あんたの言ってる
ことは、正しい。


そうよ。


あたしにもう、勇気がないだけ。


あのままパリでだって、
日本に帰ってからだって、
死に物狂いでデザインに
しがみついてたなら、なに
かしらできることはあった
かもしれない。


でも、もう……
できなかったんだ。


パリでの敗北感を思い
出すと――これ以上、
ミジメになりたくなくて。
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