《完》極上☆SWEETS!! 〜愛しのショコラ・プリンス〜
「そりゃぁ好きだけど。

前にも言ったじゃない。
世の中のみんながみんな、
好きなことを仕事にできる
わけじゃ……」


「んな一般論は聞いてねー!

お前はどーなのかって
聞いてんだよ」


「ど、どうって……」



ヤダよ、爽介。


これ以上、そんな核心に
迫った質問してこないでよ。



あたしは、答えらんない。


パリを発つときに、ふたを
して鍵をかけた、あたしの
心を揺さぶらないで――…。



――気づくと。


あたしの頬を、熱いものが
静かに伝ってた。


――ウソ、マジで……?


自分で自分にびっくりする。

ナニ泣いてんのよ、あたし……!


「あ、わりぃ――!」


あたしの涙に気づいて、
さすがの爽介もたじろいで
我に返ったようだった。


さっきまでの強い口調は
どこへやら、困り切った
顔つきであたしを見てる。


「……………」


あたしは黙って、手で涙を
拭った。
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