《完》極上☆SWEETS!! 〜愛しのショコラ・プリンス〜
それからしばらくの間、
爽介もウンウン唸りながら
考え込んでたし、

あたしも自前のスケッチ
ブックと鉛筆を出して、
思いつくまま何枚かラフ
デザインを描いてみたりした。


でも、『コレだ!』って
いう、自分が納得できる
ようなのは、1枚も描け
なかった。


「へー。
さすが、やっぱうまいな」


冷蔵庫まで水を取りに
行って戻ってきた爽介が、
真後ろからスケッチブックを
覗き込んでくる。


「ありがと。

でもやっぱ違うね。
こんなんじゃない気がする……」


今描いてたのは、白鳥が
羽を広げるとこをイメージ
したもの。


でも――自分で言うのも
なんだけどありきたりで、
これといって何も魅力がない。


「――んー。

まぁ、そうかもな」


ハッキリとは言わなかった
けど、爽介も感想は同じみたい。


あたしはもういいやって
思って、そのデザインは
グチャグチャの線で塗り
潰してボツにした。
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