《完》極上☆SWEETS!! 〜愛しのショコラ・プリンス〜
でも、これからもずっと
こんな感じなんて――
あたしはイヤだ。


もっと何かしたい。


今はできること少なくても、
毎晩手伝ってれば徐々に
増えてくかもしんないし。


閉店して店に誰もいなく
なってから終電前までじゃ、
せいぜい3時間もない。


そんな時間じゃ、足りないよ。


爽介は普段の仕事が終わった
夕方から、夜遅くまで――
それこそ睡眠時間も削って、
がんばってるのに。


あたしだって同じくらい、
がんばりたい……!



「ヤだったらヤだ。

今日こそは、マジで帰んない」


低い、搾り出すような声で、
あたしはもう1回爽介に告げた。


爽介を困らせたいわけじゃない。


でも、あたしの気持ちも
ちょっとは汲んでよ? 

――そんな願いを込めて、
まっすぐに爽介を見つめる。


爽介も、睨みつけるような
目であたしを見返してたけど。


短い沈黙の後、その口から
出てきたのは、OKの返事じゃ
なくて――大きな、ため息。
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