《完》極上☆SWEETS!! 〜愛しのショコラ・プリンス〜
「……お前さ。

頼むからもーちょい、
自分が女だってこと自覚しろ」


その声に、もう怒ってイラ
ついてるような感じはなかった。


それよりもむしろ――ホントに
困り切ってるんだって
思える、弱々しい声。


「お前の気持ちもわかるけどさ。

それでも、そんなムチャ
させらんねーだろが」


――え?


ナニ?

どーゆーこと?


「別にムチャじゃないわよ。

第一、爽介はやってること
じゃない」


「だーかーら
オレとお前は違うだろって。

ホントは終電で帰らせんの
だってイヤなんだよ。

でもお前の気持ちもわかる
から、それまでは居させて
やってんだろ。
それでカンベンしてくれって」


爽介は、弱り切った口調で
一気に話し終えると、傍に
あった細身のスツールに
乱暴に腰をおろす。

なんかもー疲れた、って、
そんな感じ。


あたしは、なんでそんなに
爽介が困ってるのかわかん
なくて。


今言われたこともイマイチ
ピンとこなくて、唇を
噛んで黙り込む。
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