《完》極上☆SWEETS!! 〜愛しのショコラ・プリンス〜
「爽介……。それって――」


真下から見上げた爽介は。


ホントに困り果てた……
そしてどこか照れたような、
らしくない瞳であたしを見てる。


――まさか……ホントに?


もしかして………。


「もしかして――あたしが
心配だから――?」


自分が送れないのに、
あたしが夜の新宿に一人で
出てくのが。

それが、そんなに心配で――?


「……………!」


爽介は何も答えなかったけど、
ほんの少しだけ、その頬が
紅く染まったように、
あたしには見えた。


YESのサイン――あたしが
それにしっかり気づいた
ことを、爽介もあたしの
表情から読み取ったみたい。


諦めたようにムスッとした
表情になって――。


「――当たり前だろ。
他にあるかよ」


『他にあるかよ』って。


あたしちっとも、そんな
ふうに思わなかったよ。


そりゃ、夜ともなれば、
新宿なんて治安はサイアク。


でも終電前後でウロついてる
若いコなんていっぱいいるし、
そうしょっちゅう、物騒な
ことが起こるわけでもない。
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