《完》極上☆SWEETS!! 〜愛しのショコラ・プリンス〜
「大丈夫です。
気はつけてますから。

まだ1ヶ月あるとはいえ、
アントルメ・ショコラの
準備も考えると、あんまり
のんびりもしてられないし」


「そうか。

まあくれぐれも体は壊さん
ようにな」


「はい、ありがとうございます」


再び頭を下げた爽介に
ゆっくりと頷くと、パパは
背後の新条さんを振り返って、


「では我々は帰るとするか。

ここで解散でいいぞ」


「え、そうですか?」


「ああ、時間も時間だ。

今日は、私ももう――家に戻る」


その言葉に新条さんが
『わかりました』と頷いて、
2人は厨房を出て行こうとする。


その背中に爽介が、

「わざわざありがとう
ございました!」

って声をかけて。


「じゃーな、がんばれよー!」


後ろ手に手を振る新条さんの
声を最後に、2人はまた
裏口へ続く通路に消えてった。


2人の足音が完全に聞こえ
なくなるまで、その気配を
見守って。
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