《完》極上☆SWEETS!! 〜愛しのショコラ・プリンス〜
「あ、でも、毎晩早く
帰るのを納得したわけ
じゃないから。

誤解しないでよ」


置き土産のようにしっかりと
それだけは伝えて、あたしは
荷物をまとめると、


「じゃあ、がんばってね。
何かあったら明日すぐ知らせて」


そう言い残して、厨房を
後にした……。



     ☆☆☆☆☆



タクシーで正面玄関まで
乗りつけて家に帰ると、
住み込みのメイドが、こんな
時間でもちゃんとあたしを
出迎えてくれた。


夜は、メイドも就寝後だったら
別に寝ててかまわないんだけど。

きっと少し前にパパが
帰ってきて何か言いつけたり
したから、まだ起きてたん
だろーな。


「ありがとね、こんな遅くまで。

今夜はもう休んでいいわよ」


メイドにそう言って、
あたしは自分の部屋に向かう。


でも――。


途中でやっぱり思い直して、
クルリと方向転換すると、
来た道を戻り始めた。


目指してるのは……
1階の、パパの書斎――。
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