《完》極上☆SWEETS!! 〜愛しのショコラ・プリンス〜
大きな扉の前まで来ると、
中からかすかにクラシックの
音が漏れ聞こえてて、そこに
パパがいることがわかった。
ちょっとためらったけど、
思い切ってその重い扉を
ノックする。
「……入りなさい」
低い返事が返ってきて、
あたしは無言で扉を開けて
中に入った。
いつものようにデスクに
座ったパパが、ジッと
あたしを見る。
あたしが来たことに、
驚いてる様子はない。
めったにあたしが自分から
ここに来ることはないのに。
今日は最初から、来るのが
わかってた――まるで、
そんなふうに見えた。
「どーしていきなり、店に
来たの?」
沈黙が息苦しくて。
あたしは考えもまとめずに、
思いついた言葉をそのまま
パパに投げかける。
「新条が言ったろう。
近くを通ったついでに
寄っただけだ」
「……ホントにそれだけ?」
「他に何がある?
店の名前を背負ってコン
クールに出場する従業員を、
社長が激励に行くのは
おかしいか?」
「――そーゆーわけじゃ
ないけど……」
中からかすかにクラシックの
音が漏れ聞こえてて、そこに
パパがいることがわかった。
ちょっとためらったけど、
思い切ってその重い扉を
ノックする。
「……入りなさい」
低い返事が返ってきて、
あたしは無言で扉を開けて
中に入った。
いつものようにデスクに
座ったパパが、ジッと
あたしを見る。
あたしが来たことに、
驚いてる様子はない。
めったにあたしが自分から
ここに来ることはないのに。
今日は最初から、来るのが
わかってた――まるで、
そんなふうに見えた。
「どーしていきなり、店に
来たの?」
沈黙が息苦しくて。
あたしは考えもまとめずに、
思いついた言葉をそのまま
パパに投げかける。
「新条が言ったろう。
近くを通ったついでに
寄っただけだ」
「……ホントにそれだけ?」
「他に何がある?
店の名前を背負ってコン
クールに出場する従業員を、
社長が激励に行くのは
おかしいか?」
「――そーゆーわけじゃ
ないけど……」