《完》極上☆SWEETS!! 〜愛しのショコラ･プリンス〜

『パリで描いたデザインは、
自己満足』。


もちろんその当時は、
そんなこと思ってもない。

自分自身の夢のために、
一生懸命頑張って描いてる
つもりだった。


でも今回、爽介と２人で
チョコレート･ピエスの
デザインに取り組んでみて……
その、圧倒的な違いに
気づいたから。


爽介と２人で、同じ所を
目指してるって気持ちが――
あたしの意気込みも、成功
させたい思いも、今まで
とは比べものにならない
くらい、大きくしてる。


今の真剣さに比べたら、
パリにいた時の自分なんて
全然中途ハンパ。


評価されることにばっかり
こだわって、意固地になって。

スクールの仲間に心を開く
こともなく、自分で自分を
追いつめながら描いてた。


『自己満足』。
――ホントにそうだったの
かもしれない。


パパはそれを見抜いてたの……？


だからあの当時から
『そんな勉強に意味はない』
とか、『さっさと帰ってこい』
とか、事あるごとに言ってたの？