《完》極上☆SWEETS!! 〜愛しのショコラ・プリンス〜
1回目はいきなりで、まだ
爽介のこともよく知らなくて
噛みついてばっかいたけど。


今では――こんなふうに
向かい合って、いろんな
話をして。


いつのまにか、あたし達の
距離――こんなに、近く
なってる。

『特別』な時間を、
共有できるほどに。


それが――素直に、嬉しい。


でも同時に……どうしようも
ないくらい、胸がキュッと
痛くなる。


もっと近づきたい。

もっともっと、特別になりたい。


そんな想いが――ごまかしても
ごまかしても、溢れてくるから。



「――どうした、亜莉紗?」


急に黙り込んだあたしを
心配するように、爽介が
顔を覗き込んできた。


あたしはあわてて曖昧な
笑みを浮かべながら、


「な、なんでもない

ちょっとボーッとしただけ」


「? 大丈夫か?」


「大丈夫よ。気にしないで」


てゆーか、あんま近くで
覗き込まれると、余計
ドキドキするじゃない。
< 312 / 384 >

この作品をシェア

pagetop