《完》極上☆SWEETS!! 〜愛しのショコラ・プリンス〜
永遠かと錯覚するくらいの、
長い沈黙が流れた。


爽介は……絶対ビックリ
してたはずなのに、やっぱり
何も言わない。



重なる鼓動の音を、
どれくらい聞いたろう?


長い長い――ホントに長い
沈黙の後。


あたしの体を支える爽介の
腕に、グッと力がこもって。


――ようやく、あたし達の
時間が、動き出した。


「――アホ。

こんなとこで抱きつく
ヤツがあるか……」


ため息まじりの、あきれた声。


でもその声は、あたしが
今まで聞いたなかで、
一番、優しい。


その声が、爽介の胸に顔を
うずめたあたしの耳元で囁く。


「オレんち、来るか……?」


蜂蜜のように甘い。
そのくせ痺れ薬のように
蠱惑的な響き。


コクン、と。

あたしは黙ったまま、
小さく頷いた。


「そ、か……」


さりげない口調とはウラハラに、
爽介の腕にさらに力がこもって。
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