《完》極上☆SWEETS!! 〜愛しのショコラ・プリンス〜
「ご丁寧にどうも。

このままでいいですかー?」


ホール型のケーキに
クリームをしぼる手を
止めずにそう言ったのは、
さっきは会わなかった人。


今初めて気づいたけど、
女の人だ。

25とかそれくらいかな?

髪の毛は全部コック帽の
中に入れてるんで分かり
づらいけど、大人っぽい
美人って感じ。


「ああ、かまわんかまわん」


新条さんはそう言って手を
振り、もう誰もこっち見て
ないけど、勝手にしゃべり
だした。


「望月亜莉紗さんだ。

いずれホール全般で活躍
してもらうから、よろしく」


『よろしくー』と下を
向いたままでも、一応声を
返してくれたのは、女の人だけ。

他の2人は、無言。


――感じワルすぎでしょ。

なんなの、ホントにこの2人は。


ムスッとするあたしを
よそに、新条さんは続けて
あたしに向かって説明し出した。


「裏は、繁忙期以外はこの
3人でやってる。

説明するまでもないだろう
けど、商品のスイーツを
作るのが仕事だ。

パティシエの一ノ瀬貢クン
と、桐生(きりゅう)爽介クン。

それに、パティシエールの
築山雫(つきやま・しずく)さん」
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