《完》極上☆SWEETS!! 〜愛しのショコラ・プリンス〜
ひとりひとりを手で示し
ながら、名前を教えてくれた。


それにも、特に無反応の3人。


パティシエってのは、
そんなに忙しいご職業
なのかしらね?

こんなヤツら、別にわざ
わざ挨拶に来てあげる
必要もなかったんじゃないの?


バッカみたい、と思って
あたしが大きくため息をつくと。


フォローでもしようと
思ったのか、マッキーが
あたしの背後から声を
かけてきた。


「スイーツ作りは、
とにかく集中しないと
いけない仕事だから。

みんな別にコワい人じゃ
ないから、気にしないでね?」


「別にどーでもいいです。

あたしの仕事はホールの方
なんだから、たいして
関わることもないでしょ」


吐き捨てるようにそう
言って、あたしは踵を
返してその場を立ち
去ろうとする。


その背中に。


「――オイ、待てよ」


低い、不機嫌そうな声が
飛んできた。


あたしは立ち止まる。


「なに?」


振り返る前から分かってたけど。
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