《完》極上☆SWEETS!! 〜愛しのショコラ・プリンス〜
あたしの無言の答えを、
マッキーは察したみたい。

『ウンウン♪』とひとりで
勝手に頷くと、また話し出した。


「ボク達ウェイターは、
おいしいスイーツをもっと
おいしく食べてもらう
ためにいるんだよ。

ボク達のいれるお茶や
給仕の仕方ひとつで、
スイーツはおいしくも
なるし、まずくもなる」



なんだ。


それってつまり、爽介が
言ってたことと一緒じゃん……。


だから爽介は。


そーゆー意識でスイーツを
運べないなら、触って
ほしくないって言ったの……?


あたしは食べかけの
オペラを、ジッと見下ろした。


詳しい作り方なんて
知らないけど。

何層も重ねられたスポンジ
やガナッシュに、凝った
デコレーション。

素人でも、手がかかって
るんだろうなって思う。


丁寧に丁寧に、手間ヒマ
かけて作ったケーキ。


あいつが作ったケーキを、
あたし達が運ぶ。


それが全部、ひとつの
サービス……。
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