《完》極上☆SWEETS!! 〜愛しのショコラ・プリンス〜
「オイ雫、このクリーム
もうちょい固め!

やり直して」


「えっ? 

……ゴメン、わかった」


爽介が厳しい声で雫に指示
して、雫がちょっと戸惑い
ながらも了承する。


相変わらず3人共忙しそう
に、わき目もふらず働いてた。

早朝から出勤して、
オープンまでには一通りの
メニューを仕上げてある
わけだけど。

人気メニューは1日に
数回、そうでないものも
最低1回は追加補充するん
で、結局、昼過ぎまで
ずっと忙しいみたい。


毎日大変ねー、なんて
遠巻きに眺めてたら。


「爽介、朝休とれて
なかったろう。

今のうちにとっとけ」


貢がそう声をかけて。


「ん……そうだな」


頷いた爽介が、厨房から
出ようとしていた。


――ゲッ。こっち来るわけ?


そう思った時にちょうど、
厨房の出入口に立った
爽介と目があっちゃう。


爽介はあたしがここにいる
ことに今初めて気がついた
みたいで、ちょっとハッと
した顔してた。
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