《完》極上☆SWEETS!! 〜愛しのショコラ・プリンス〜
舌肥えてるんだから、もう
ちょいいい物食べればいいのに。


「飯なんかなんだっていいだろ。

時間なんかかけてらんねーし」


――そんなもんかなぁ。

忙しい時でも、気分転換は
必要だと思うけど。

こんな仕事場の真横で、
たいしておいしくもない
パン食べるだけって、ねぇ。


「追い込んだって逆効果な
こともあると思うけど……」


「は? 逆効果?

――何が?」


「ホールのコから聞いたわよ。

新作の開発してるんでしょ」


その言葉に爽介は驚いた
みたいだった。


二重の目を大きく見開いて――
でもすぐに顔をしかめて、


「るせーな。大きなお世話だ」


ま、そーでしょうけどね。


爽介は、あたしがその
開発の厳しさを知ってる
なんて、夢にも思ってない
だろうから。


でも、実はよく知ってる。


パパは昔から、どの店でも
新しいメニューを出す時は
必ず試食してテストしてた。
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