《完》極上☆SWEETS!! 〜愛しのショコラ・プリンス〜
「さぁ。誰だったかしら」


ホントは――パパが
スランプになっちゃった
シェフに、昔からよく
言ってたアドバイス。


ま、よーするにただの
受け売りで、信憑性なんて
全く知らないけど。


社長のパパだったらきっと
こう言うだろうから、
もしかしたらあたしが
言っても役立つかも?


まあね。

うちのパパの厳しい
手法が、プレッシャー
かけちゃってるわけだから。


ちょっとした、
恩情みたいなもんよね。


「違うジャンルって……
なんのことだか」


爽介はあたしのセリフ
なんてマジメに聞く気も
ないみたいで、
『くだらねー』とか呟き
ながら残りのパンを一気に
口に放り込んだ。

包装の袋をクシャクシャ
っと丸めて、近くにあった
ゴミ箱に投げ捨てると、
勢いよく立ち上がる。


――え? 
まさかもう休憩終わり?


「ま、お前も蓮に愛想つか
されないよーに、せいぜい
がんばれよ」


捨てゼリフみたいに投げ
やりにそう言うと、爽介は
サッサと厨房に戻ってった……。



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