《完》極上☆SWEETS!! 〜愛しのショコラ・プリンス〜
「ああ、お疲れ!
ありがとうね、望月さん」


答えてくれた新条さんに
軽く会釈して、あたしは
厨房を出ようとする。


それを引き止めるように、
厨房の奥の方から声が
飛んできた。


「あ、新人!」


爽介だ。あたしは足を
止めてそっちを見た。


「サンキュな。イロイロと」


「………別に」


そんな、改めてお礼言われる
ほどのことでもないわよ。


そもそもあたし、アドバイス
しようとしてしたわけじゃ
ないし。


あたしのくだらないガールズ
トークからアイデアを
ひらめいたのは――ひとえに、
爽介の発想のタマモノ。


それなのに……そんな
マジメな瞳してお礼言われ
たら、なんか、こっちが
照れちゃうじゃん……。


あたしは少し熱くなった
頬を隠すように、すぐに
爽介から目線を外すと、
早足でロッカールームを
目指した……。



     ☆☆☆☆☆



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