抹茶ラテとカフェラテ
休日だからなのか駅前のショッピングモールは
混雑している。
祥吾はどんどん人波に紛れて行ってしまう。
このままだとはぐれちゃう……
そう思って先を急ごうとしたら
目の前ににょきっと手が現れた。
「ん、手。」
「いや、いいよ」
「由美は絶対に迷子になる」
手なんて繋いだら
体内の熱が全て手に行ってしまう。
「迷子になんてならないし!」
「昔一緒に夏祭りに行くと3秒ではぐれたからな。」
そう言って祥吾は私の左手を強引に掴んだ。