彼氏はアイドル!?

璃音はお風呂あがりみたいだ。

髪は濡れ、いい香りがする…


「璃音ちゃ…」

「あがる…?」

璃音はしゃがみ込んで、スリッパを揃えてくれる。

その時にシャツの胸元から中がちらりと見えて、
俊の胸がドキッとした…


「どうぞ?」


中に案内しようと歩きはじめたが、俊は玄関に立ち尽くしている。

「俊さん、どうしたの?」

「…」

璃音は玄関にもどる。


「僕…璃音ちゃんが好きだ。好きで好きでどうしようもないんだ!」

俊は真面目な顔で叫んだ。

「そばにいてよ…」

俊はあの夜のようにすがるように璃音を抱き寄せた…


璃音は身動きが取れなかった…。

「僕じゃ…ダメ?」

俊がじっと璃音の顔を見つめる。

キスされそうな予感が、俊のやわらかな唇の感触を思い出させる…。

こつんっとおでこが触れる…


『咲…』


「!」

璃音は俊を
思いっ切り突き飛ばした。

涙があふれた…


なんで…
彼女いるのに…

最低…

「帰って…」

璃音はドアを開けて俊を押し出す。

そして
ドアにすがるように泣き崩れた…。

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