砂時計のキセキ
そうだ。

「陽にもう一度会えないのか?」

ふと思い、訪ねる。

「会えない───」

やっぱりそうだよな──

「───事もない」

……え?

「ほんとのほんとにっ!?」

心が跳ね上がる。

「再生の砂時計というのがある」

【再生の砂時計】?

「それは“時間を巻き戻す”という言い方が正しく、つまりは普通の砂時計とは反対に砂が上に上がる」

つまりは ↑ って事か?

「まぁ、制限時間はあるけどな…」

「どのくらいいられるんだ!?」

「人それぞれだな。──…ただそれは“禁忌”なんだ」

【禁忌】
つまりは無理って事か…

「けど多分大丈夫だ、お前なら。交渉してみるさ…」

「何年、何十年かかるか分からない」



「それでも、お前の…陽のために待っていてくれるか?」
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