砂時計のキセキ
「失礼します」

キャ───────っ
とクラスの女子の叫び声。
「倉田影悟です」

この爽やかな笑顔。
「席は委員長の立花の隣な」
「はい」
私の隣
ギッと椅子を引く音。

「よろしくね、陽」
忘れる訳ない。

「……けい…ご…?」

何でいるんだ?

「…死んだはず」
「…影悟は、死んだはず」

「そうだよ」

「俺はちゃんと死んだよ?」
そう、影悟はちゃんと死んだんだ────。

私の目の前で。

私の、せいで。

「後で訳は話すから」

静かに言った。
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