砂時計のキセキ
─昼休み─
今日はいつもよりずっと早く時間が過ぎていった。

「倉田くん、」
「ん」
「あのっ 私達と一緒に…お弁当食べてくだしゃいっ!!」

(噛んじゃったよ…。)

(私には関係ない──

「いいよ」

─────フリ…。)

「…って言いたいとこだけど、ゴメンね」

そう言って、私の肩に腕を回す影悟。

「立花さんと食べる約束してるんだ☆」

(は?)

「じゃあ、行こうか陽」

私の手を強く優しく握りしめる。 ピシャ────ンッ

勢い良く扉をしめてこちらをじっと見る。

「このくらいは良いでしょ?」
「…この……くらい?」

このくらいじゃない──…。

「しんじゃうよ…」

カッ

「しばらく、こっち、見ないで?」

顔を紅くしたままうつむく影悟。

((なんか、気まずい…))
< 4 / 14 >

この作品をシェア

pagetop