Not Forgiven?



「じゃあ、いただきま………」

「あれ、また誰かきた」



由稀の声で挨拶が遮られる。


…もう、今度は誰よ?



「は~い………って」

「ただいま」



…またしても、玄関から顔を出したのは予想外な人物だった。



「あれ?
今日は慶人も早いの?」



ひょこっとリビングから由稀が顔を出す。



「…みたいだね」



鮎川慶人(アユカワケイト)、日本史担当で私の担任。


───…そして、一番年上の兄である。



「…慶人も帰ってきたのか」

「ダメだった?」



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