君が嫌いな君が好き
第2話 お休み騒動
「…39.2度、か…」
翌日の朝。
悠斗は捺の部屋にいた。
『…』
「なっちゃん、なっちゃん。
風邪を引いたみたいだね」
―そう。
捺は、昨日濡れた髪を乾かさずにそのまま寝たのが原因で、熱を出しているのだ。
『…』
「心あたりは?」
『……………ない』
髪の毛を乾かさずに寝た。しかも、原因が叔父。
…などと、言えるものか。
「んー…。
お兄ちゃん、バイト休もうかな」
『………駄目だよ』
「だーめ!
…捺の方が、大事だから」
悠斗はそう言うと、バイト先へ連絡した。
その後、悠斗は額を冷やすものを取りに部屋から出ていった。
『…(迷惑、かけた…)』
高熱でぼんやりする頭で、捺は昨日髪を乾かさずに寝た事を、少し後悔した。
(もう迷惑はかけたくない)