君が嫌いな君が好き
『…っケホ』
もぞっ…と、捺はベットから降りた。
『…トイレ…』
よろよろとしながら、捺はトイレへ辿り着くべく、部屋のドアへと少しずつ歩み寄る。
ガチャ
「うおっ。
あれ?捺?どっか行くのか??」
『ん……、トイレ…』
「大丈夫か??
お兄ちゃんが連れてあげ『死ね』……ツンデレめ」
悠斗の横を通り過ぎようとした時、捺は突然の目眩に襲われた。
『ッ』
「っと」
倒れそうになるものの、悠斗が素早く受け止めた。
「捺、無理すんなよ」
『し…てない、っ…』
「嘘嘘。
だって、苦しそうだし」
『…っ』
「………んしょっと」
悠斗はいきなり、捺をだっこした。
捺は状況が掴めていない。
「お兄ちゃんが連れてってあげる〜☆」
『っ?!
お、ろし…て…!』
「聞こえな〜い☆」
悠斗はいつも通りに、おちゃらける。
「ほーら。着いた」
『………』
悠斗がドアの近くにいる…と言うのを気にしつつも、捺はトイレへと入っていった。
(羞恥プレイかよっ?!)