君が嫌いな君が好き
第1話 兄妹
―悠斗side―
『―…悠斗…?』
俺は、いつも通りにバンドの練習後バイトに行き、夜中に帰ってきた。
家―…基、今世話になってる親戚の家に入り自分の部屋に入ろうとすると、隣の部屋のドアから妹が顔を覗かせていた。
「なっちゃーん、お兄ちゃんをお出迎えしてくれるの〜?」
俺は、シスコンだったりする。
バンドのメンバーに、「顔はいいのに可哀想な奴」って笑われた。
自慢するワケじゃないけど、俺は以外と顔はイケてるらしい。
因みにV系バンドだから、軽めのメイクをしてる。
ファンの子からは、「カッコイイけどカワイイ顔」なんて言われてる。
あ、因みにボーカル。
「悠お兄ちゃん、疲れたなぁー☆
膝枕してー?」
俺がそう言って、寄り添うと
『はぁ?
何それ、キモイよ』
って、捺は俺を軽くあしらう。
昔は、もっと仲が良かった。
何するのも一緒だったし。
二人で寄り添ってたし。
何より、捺は甘えん坊だったから。