君が嫌いな君が好き














―捺side―















「忘れ物するなよー」








今日も、つまらない授業が終わり下校時間がやってきた。

私は、この時間が一番嫌い。








「高坂ぁ〜」








ほら、来た。
汚い汚い気持ち悪い奴らが。








『何?』

「相変わらず、ウザイ顔してるわね」








顔に文句つけないでほしいな。








『…』

「は?何黙ってんのよ」

「そうよ。生意気」

『…ごめん』








私がそう言えば、いじめっこ女子達が、私を殴った。








「はぁ?
誰が喋っていいって、許可だしたのよ」








『矛盾してる』…そんなことを考えていると、机に用意してた鞄を奪われた。


私がこの時間が嫌いな訳は、一番いじめが激しくなる時間だからだ。


先生達が職員室に集まる放課後、部活の様子見に行く先生……だからこの教室で何をしようが、気づかれない。


ここにいるのは私も含めて帰宅部だ。
あぁ、運動部の生徒は着替えながら私をいじめてる。








「お金、幾ら入ってんのかなぁ〜?」

『っ…』








お金を取られるのは、嫌だ。

悠斗が…一生懸命働いてくれた、お金。

勿論この中学校は、お金を持ってきても良い学校。








「えぇ〜?たった2000円〜?

有り得ねぇ〜」

「うっわぁ〜!

貧乏だねー」








2000円……私にとっては、ゼロがあと2つ3つ付いてもおかしくない価値のものだった。

悠斗が私を思って、くれたお小塚い。


大事なお小塚いだから。








「皆でわけよー」








そんな大切なお金は、大嫌いな連中にいつも取られている。














(何も出来ない自分の非力さが嫌い)




< 7 / 37 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop