旅の終わりの物語
潤んだ瞳と濡れた唇から零れる吐息に、アストレイの理性は崩れ落ちそうになる。

「私にあなたは償わなくてはなくてはならいの」

罪悪感をつく言葉をなげてくる。

「貴方の大事なダニエラを生き返らせたの。だから私は独りぼっち」

「それは貴様が選んだことだ」

そう。それはエルナディアが選んだことだ。

だが、そうしなければ世界は滅ぶか半分は崩壊していたはずだ。

勇者としてそれを選ばなければならない立場にいたのも真実だ。

「貴方がダニエラを守れば良かったのに。人を滅ぼすことに夢中になっていたから」

「…」

「家族が欲しいの」

「人として生きると決めたのだろ?人と交わり子をなせば良い」

「人は私を恐れてる。あなたが良い。あなたは私を恐れていないでしょ」
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