ハーフベターな恋
大好きなミネラルウォーターにも見放され、現実を突きつけられた私の悲しみはさらに加速し涙が止まらない。
「・・・とりぁえず近くの公園でも行こっか?まだ朝も早いし、そんなに人もいないだろ。」
見かねた香くんが私に手を差し伸べてくる。
私は静かにコクンと頷く。
「ほら。」
そう言って、香くんは私の手を握りしめる。
そしてしゃがみこんでいた私を強い力で引き上げた。
その力強さは、過去という闇の穴にハマった私をすくい上げてくれるのかもと錯覚させるほど頼もしく、普段の騒がしい香くんからは想像つかないほどだった。