ハーフベターな恋

光の写真を見つめたまま、何も言わない私におばあさんは話し掛ける。






「交通事故で死んでしまったんじゃが、孫には大切な人がいたらしくてね・・・・。私に会わせたいといつもここに来ては言っておった・・・。結局・・孫からその人を紹介してもらう日は来なかったんじゃが・・・・。」







私はおばさんの言葉に何も返さない。







「なぁ・・・お嬢さん?私も夫を早くに亡くした身じゃ・・・。その人の辛い気持ちはよう分かる・・。でも・・・こんな老いぼれとその人じゃわけがちがう・・・。その人は、いくらでも・・・他の人生を見つけられるはずじゃ・・・。」








おばあさんの言葉に胸が痛む。








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