ハーフベターな恋
いじわるな友だち
「いいなぁ~!!相沢さん!先生のお手伝いなんて!」
先生が教室を出たあと、後ろの席の女の子が話しかけてきた。
黒いツヤのある長い髪に、キリッとした目。
アジアンビューティーって感じ。
「普通ならイヤだけど、南先生なら喜んで!!って感じだよね!あぁ~!!私の名前が飯田 亜里沙(イイダ アリサ)じゃなくて、相川 亜里沙とかだったらなぁ~。来週、チャンスあるかなぁ?」
な、なに?なんの話?
飯田 亜里沙と名乗るその子は、興奮気味に私に話し続ける。
なまえ?なまえ変えたいの?
「あのぉ~、えっと手伝いって?名前と関係あるの?」
私は、キョトンとした顔で亜里沙に聞いてみた。
亜里沙は、はぁ~?と怪訝そうな顔で私を見上げたあと、急におなかを抱えて笑い出した。
「な、なに!?」
「はは・・。ごめんごめん。相沢さん、本当に先生の話聞いてなかったんだなぁ~って。女子も男子もみんな先生に釘付けになってたのに、相沢さんくらいだよ、そんなの・・。変なの!!」