Angil voice ~君の声がこの街に響くように
凛はお世辞にも上手いとは言えないけど、
子供達と同じ目線で一生懸命、動いていた。
はしゃぐ姿がやけに楽しそうで、
俺はその姿をずっと見つめていた。
・・・しばらくすると、チラチラこっちを見て、
手招きしている。
どうやら、混ざれという意味らしい・・・。
俺は苦笑いしながら、首をふった。
すると、凛と子供たちが駆け寄って来て、
俺の手をつかみ、強引に仲間に加えられた。
始めは嫌々やっていたのだが、
一度やりだすと止まらないもので、子供相手に大人げなく
夢中でボールを追いかけた。
次第にボールが取れなくなってきた子供達が、
全員でタッグを組み俺に向かってきた。
さすがに7人は手ごわくて手こずったが、
その小さな子供たちを振り切り、シュートを決めると
凛が拍手して喜んでくれた。
俺はそれが堪らなく嬉しかった。
日が暮れると、子供達の親が迎えにきた。
俺達はそれを見送ると自分たちも帰り支度を始めた。