Angil voice ~君の声がこの街に響くように
「羽流さん。」

「えっ?」

「何かを諦める時、どうしてもその願いが叶わない時、
どうすれば諦められますか?」

「・・・。」
凛があまりに真剣な顔で俺に聞くから、
俺は一瞬黙り込んでしまった。



「う~ん、俺の事だとあまり参考にならないかもしれないけど、
辞める前の試合は、とりあえず後悔しないように、精一杯やったな。

でも、いくら精一杯やったってその後は、結局後悔が襲うんだ。

もっと、ああできたろ。
なんで、こうしてなかったんだ、って。」

「所詮人間だから、完璧はない。どんな自分であっても
受け止めなきゃいけない。」

「えっ?」

「俺が大学の時の監督に言われた言葉。

この言葉があったから、今の俺はここにいるんだと思うんだ。
何度も助けられた。

あっ、ごめん。なんか、質問の答えになってないな。」

「いえ、ありがとうございます。」

そう言って、彼女はにっこりと笑った。
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