Angil voice ~君の声がこの街に響くように
それからというもの、俺たちはできる限りの時間を一緒に過ごした。
お互いが、お互いに大切な存在であることを示すように・・・。
毎日他愛ないことで笑い、楽しい時間を二人で共有した。
いつも、彼女が起こしてくれる声や、入れてくれるおいしいコーヒー。
何気ない日常が彼女といることで一つ一つが特別だった。
・・・思えばこの頃が一番幸せだったかもしれない。
普通の恋人同士のように、一緒にいることがただただ嬉しくて
俺は本当に幸せだった。
その証拠に俺はこの日のことをよく思い出す。
初めてキスをした日。
あのオレンジの夕日を沈むまで二人でずっと見ていたこと。
だぶん、二人が一番幸せだった頃だったから。