Angil voice ~君の声がこの街に響くように
・・・もう、完全に彼女のペースだった。


俺は諦めたようにため息をつき、
押し付けられるであろう妹の事を聞いた。

「大体、お前の妹、いくつなんだよ?」

「20歳。」
しらじらと、笑顔で妹の年を答える。

「20歳?」

「おいおい。そんな年頃の子一緒には住めないよ。
 
 それに第一、その子が嫌がるだろ?」




・・・というか、嫌がって欲しい。

まさか20歳とは・・・。


正直俺から見れば、20歳なんてケツの青いガキだった。

しかも、最近の若いやつにはロクな奴がいない。


俺は典型的なハタチの想像を頭の中で並べた。



「あら、羽流、年頃なんて。

 以外とおじさんくさいこと言うのね。
 貴方だってまだ27じゃない。
 
 それに私の妹を今どきの子達と一緒にしないでよね。

 真っ直ぐに育てられたから、素直でかわいいの。

 そんなことで嫌がらないし、すぐに了承してくれたわよ。」


「おいおい!!もう、話したのか?」

「うん。」


「あのな~。」

呆れた・・・。


俺は一言も了承していないのに・・・。



坂井はそれほど俺を説得する自信があったのだ。




まぁ、そもそも強引すぎて説得もされていないが。
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