Angil voice ~君の声がこの街に響くように
 でも、それが私の唯一の救いだった。

 それほどまでに人に愛されて本当にいい人生だったって思えたの。

 一人じゃないんだって、そう思えた。


 でも、違った。


 つい、体が弱るとと心も弱くなってしまって・・・、
 周りのことも見えなくなってしまう・・・。


 私が大切にしたかったもの。

 忘れていた。

 羽流さん。

 貴方のこと。

 私も貴方を愛していたこと。

 私が一生傍にいたかったけど、それは叶わない。

 でも、だからこそ、羽流さんには幸せになってもらいたいの。
 
 

 
 今、私のいない世界は羽流さんの目にはどう映っているのかな?

 寂しいと思ってもらえることは死んだ人にとって嬉しことなの
 かもしれない。

 でも、私に縛られず、羽流さんには幸せになってほしいの。

 私の分まで・・・。
 
 見たこともない世界や多くの人と出会って、
 壁にぶつかったり、成功したりして、今生きていることを
 実感してほしい。

 音楽にも思いっきり向き合って、羽流さんの音楽をたくさんの
 人に聞いてほしい。

 それが私の願いだから・・・。
 
 泣いちゃだめだよ。
 
 後ろは振り返っちゃだめ。前を向いて・・・。

 でも、ときどきつらい時は少し休んで空をみて。
 私がいつでも羽流さんを見守っているから。

 いつも応援してるからね。





 




< 99 / 105 >

この作品をシェア

pagetop