Stylus
第1206番安田しんじ様ご入会に関する件

株式会社 人間能力改造研究所(以下甲)は契約者安田しんじ(以下乙)の入会をここに認める。甲は乙の主目的である憧れの女性を手に入れるという目的に対し最大限の補助をする。
同時に乙は乙の主目的に対し最大限の努力と忍耐を持って如何なる犠牲も黙認し甲に対し正当な報酬を持ってその評価とすることをここに誓約する。
主目的が達成できない場合裏面の免責事由に関し甲はその責務を負わないが、乙に関しては別途補助資料もしくは議会による議決のみ有効でありそれ以外については全て責務を全うすることを誓う。
尚、本契約解除に関する項目(クーリング・オフ)に関して担当者の名刺にその理由を明記することが必要。
と、簡単に最低限必要なことをご説明させて頂きましたが、何かご質問ありますでしょうか?』
閣下はなめらかな、とても外見からは想像もできないほど流暢な説明をした。時間もきっちり5分だった。
俺はいまだ自分に起きている事が理解できていなかったが、『アイツ』イコール『ユキナ』であることだけは理解した。
そこで、考える時間をつくるために閣下にあえて質問した。


やすし『すいません!状況を把握するために時間を下さい!』
俺が悪魔に対して言えた全てはただそれだけだった。

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