イジワル王子に恋して
「彩ちゃん。おはよ。」


「田中先輩!」


「ぷっ。」


田中先輩は彩子の足元を見て
吹き出す。


「今時、上履き隠す人とかいるんだね。」


さすが頭のいい田中先輩。

理解が早い。


彩子の足元は
先生に借りたおじさんみたいなサンダル。

田中先輩の言う通り

下駄箱から彩子の上履きは忽然と姿を消していた。


「信じられないですぅ…」

「まぁ…仕方ないんじゃないの?あんな風に公言したんだから。」


田中先輩は人事のように楽しそうに笑う。


「鞄に…みかんの皮とか入ってたんですよぅ。」

「あははっ。」


来るとは思ってたけど
やっぱり
公認カップルってわけには行かなかったか…



そんなこんなで
田中先輩に今日の悲劇を語っていたら
お迎えが来た。
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