イジワル王子に恋して
「彩。」


お迎えにきた王子は
彩子の首に腕を回す。


その様子に田中先輩がくくっと笑う。


「圭?彩ちゃん大変みたいだよ〜何とかしてやんなよ。」

「…。」


圭は彩子の足元に視線を落とす。


「だっせぇ靴。」

「なっ!」


するりと腕をほどくと圭は暴れる彩子を引っ張っていった。


「あっ…じゃあ、先輩。また。」

田中先輩は
優しく手を振り返してくれた。
< 132 / 163 >

この作品をシェア

pagetop