イジワル王子に恋して
帰ろ…

彩子は涙をぬぐって、電気を消した。


「ん…」


その瞬間
腕を掴まれ、彩子はバランスを崩した。


「…戻ってきたの?」


圭くんが寝起きの低い声で彩子を抱き寄せる。

低い声が耳に
じわじわ響く。

「…もう一回したくなった?」


彩子は声が出なかった。

暗闇の中で、伝わる圭くんの体温…


息さえ
うまくできない。


気づいたら
圭くんの唇が重ねられていて
ますます息苦しくなってしまった。
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