イジワル王子に恋して
「圭。」

食事の後、
廊下で田中に呼び止められた。

「…。」

「俺、彩子ちゃんの事…好きになってもいい?」


キスまでしといて
今更だ。


「ふざけんな。彩子は俺が好きなんだよ。」

「彩子ちゃん…泣いてたよ。圭のせいだろ?」


確かに
俺は彩子への
結論を引き延ばしにしていた。

だけど
それでもあいつはずっとついてきてた。

それが当たり前だった。


「もうやめたいって…そう言ってたよ。」

< 60 / 163 >

この作品をシェア

pagetop