イジワル王子に恋して
海。

あの夏の思い出なんか
何ひとつない。

くそ暑い中
くそ暑い所に言って
好きでもない女達につきまとわれ…

好きでもない女に彩子を重ねて寝た。



―――――ひとつあるとすれば

俺は、彩子を失った。



それだけだった。



あれ以来
彩子は田中と付き合い始めた。


そして
俺の部屋に来る事も

朝、
家の前で待ってる事もなくなったんだ。


まるで
もとからそこにいなかったかのように
彩子は姿を消した。
< 65 / 163 >

この作品をシェア

pagetop