イジワル王子に恋して
あいつ…


コンビニ行こうと自転車にまたがると
何かにひっかかった。


勝手にチェーンの鍵がかかっている。




『鍵かけてよっ!盗まれたらどうするの?』

『大丈夫だろ。』

『これ…ずっと二人乗りしてた大事な自転車なんだから…』



そう言って
そっと自転車に触れる彩子の笑顔が頭をよぎった。



そうやって
お前はいつも小さな事も大事にして…

俺にたくさんの思い出を注いでくれていた事…

俺は
気づかなかった。


手を伸ばせば
すぐ近くにいたのに。

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