イジワル王子に恋して
「宿題やってきたよ〜♪」

彩子がひょこひょこと跳びはねて、やってくる。


横にいる俺の姿を見て、ピタッと動きを止めた。


「圭…くん…」

「よっ。」


あきらかに動揺する彩子。

唇を噛み締めて
目を泳がせる。


「あっ…長谷っち〜見て見て?」

ついには
俺の存在を無視して、ノートを開き始める。

バカ彩子…
くそ。


「えらいじゃないか〜」


頭を撫でられている彩子はうれしそうに
ケラケラ笑う。


何故か
仲がいい長谷川と彩子。


だから
俺は長谷川が嫌いだ。


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