イジワル王子に恋して
「わかんね…」


圭くんは
ふいっと顔をそむけると定位置に
座り込んだ。


いつも
ここでサボってる圭くんに会いに来てたっけ…


晴れの日も…

雨の日も…



ここからは
何でも見える気がしてた。


「彩子…」

「ん?」

「…よかったな。」


圭くんはこうやって、主語も無しに話し始める。

頭が弱い彩子は
結局わからないうちに話が終わっている事が多々あった。

「田中の事…」

「あぁ…」

圭くんは空を見上げるように
寝そべった。


「さくらんぼか…」

「えっっ?」

「もっと色気ある下着はけ。」


彩子はばっと
スカートを隠した。


「へ…変態!」
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