イジワル王子に恋して
彩子は腕を振り上げて、
圭の横に座り込んだ。


パシッ


振り下ろそうとしたその腕を圭くんに
掴まれる。


「圭く…」


圭くんの何かを言いたそうな瞳と
視線がぶつかる。


「彩子…」

その瞬間、
体が揺れ、圭くんの顔が目の前に近付いた。

そして
唇に優しい感触がおとずれた。


「ん…」


圭くんは両手を耳の裏にまわす。

ぴったりと寄せられるキスに彩子は動けなくなった。

圭くん…

圭くん…


とろけるようなキスに彩子の体は
ゆっくりと圭くんの上に沈んでいった。


圭くんは
キスをしながら体勢を変え、
彩子にかぶさる。


完全に逃げ出せなくなった彩子は
そんな事にも気づかず、圭くんのキスに身をまかせていた。
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