ベストラブ
しばらく夏海が座っていると、あみのお母さんとお父さんが部屋に入ってきた。



『夏海ちゃん…?』



あみのお母さんは、夏海の方を見てしゃべりかけてきた。。。




「はい。。。」




夏海は立ち上がると、返事をした。




するとあみのお母さんは、夏海の手を引くと、『ちょっとおいで!!』といって、部屋をでて病室の前のベンチに座らせた。



横には裕也の姿もあり、同じく裕也もベンチに座らせ、自分もベンチに座るとゆっくりとしゃべり始めた。。。





『昨日のこと、話してもいい??』



夏海が静かに首を立てに振ると、安心したようにしゃべった。




『昨日、夏海ちゃんの前で…あみは車に引かれたの。。。その車は、交差点から曲がってきた信号無視の乗用車だったみたいなの。近くにあったコンビニの外にあった防犯カメラに、事故の一部がほんの少し映ってたみたいで昨日警察の人から聞いたわ。。。その車が、事故を起こした犯人だって…間違いないって、、、。でも、手がかりが少なくて、夏海ちゃん覚えてないかなって…その犯人の、顔とか。。。思い出せないかな…???』





あみのお母さんは夏海にやさしく問うと、夏海は目をつぶり、ゆっくりと思い出した。。。そして声に出しながら説明した。。。




「昨日、リップを落として拾おうとして。。。それで、キキーって音がして、あみが…あみが宙に浮いていて…それで、犯人の。。。犯人の顔は……。」




そこまで話すと、夏海の表情はこわばり、頭を抱えると、「いや、いやぁーー!!」と叫び体をふるわせた。。。




裕也は夏海の手をとると、『どうした?大丈夫か??』と声をかけた。。。

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